ELEPHANT FOOTSTEPS

 十代の頃、バンドを始める前はソロで数え切れない程の作品を作りまくった。毎日のように録音し、授業中にジャケットのデザインをしていた。その頃はまだパソコンなんか無かったから、紙にカセットのジャケットと同じサイズの枠を書いて、そこにペンで絵を書いたり、エロ本のコラージュをしたりしてデザインした。もうとにかく毎日そんな事が日課だった。時が流れて、バンドを組んでからもそれは続いたけど、二十歳の頃、アメリカのSIX WEEKSというレーベルからレコードのリリースが決まってから音楽を作品だと意識するようになった。それをきっかけに、色んなレーベルからオファーがあった。バンドをやめて2010年にMANKIND RECORDSを設立し、作品を自分で管理するようになった。昔からレコードの流通もしていたし、リリースの流れもわかっていたつもりでいたけど、ここ一年、Mimicを始めてから、色々とわかった事もある。それは、自分の音楽は売れないという事。そもそもCDが売れない時代に僕ような音楽が売れるはずもない。そんな事はとっくに気づいていたはずだけど、土童子が出版した「たらちゃん」という小冊子に書いたコラムを読んでもらえばわかると思うが、とにかくクオリティー重視の作品を作り続ける事が重要だと考えていた。しかし、最近になって、これでいいのだろうかと考えるようになってきた。時代に流されたというわけではない。そんな時代は来ないと気づいただけ。MANKINDはもちろん継続していくけど、やはりプレスにかかる費用は簡単に用意できない。でもリリースのネタはたまる一方。そんなこんなでもう最後のリリースから二年以上が経ってしまった。

 そして、どんな形でもいいからどんどん作品を生み出せる環境が必要だと気づいた。金の心配もなく作品を次々とリリースしまくる。これがやっぱり自分のルーツだと思う。在庫も必要なだけあればいい。死んでからどれだけの作品を残したかという事と生きている間にどれだけの作品を作ったかという事は同じようで全然違う。先ほどのコラムに書いた自分自身の意見は決して間違っていないし、自分の核とも言える考えだけど、今、この状況でそういう活動を続けるのは、あまりにもハードルが高すぎる。それを理由に(主に金銭面)いつまでも作品を眠らせておくとどうなるか。結果、音楽を辞めるような気がする。それは自分自身が終わってしまう事だと思う。そこで、早ければ今年の七月にMANKINDの他にELEPHANT FOOTSTEPSというレーベルを設立します。このレーベルは真の意味で「記録を残す」ためのレーベル。クオリティ重視のMANKINDとは違う、もっと自分が生きた時代を切り取ったような作品をCD-Rという形でリリースしていこうと思う。これだったら、金がなくても作品を出し続けられる。第一弾は7月にリリースします。現在、LAMAZEで6月のライブに向けて作曲中です。この曲をたった一日のライブのためだけでなく一つの記録としてリリースしようと思います。これまで溜まっていた色々な音源も、しばらくの間ELEPHANT FOOTSTEPSから形にしていこうと思います。作品の値段も700円程度にする予定です。僕は芸術家なんかではなく、ただの売れない音楽家だと気付いていたのに動けなかった。色々と矛盾を感じる人もいるかもしれませんが、自分が生き残っていくためにこういう手段をとることに決めました。駄作を次々と生み出した頃を思い出して、もう金がたまるのをじっと待っているなんて飽きました。という事でELEPHANT FOOTSTEPSよろしくお願いします!